対象者が不明となっている年金記録が5000万件。
この文言が、新聞の一面でしばらく続いています。
そして、救済の為、時効撤廃という首相方針が出された事に、驚きです。
世論が大きかった、というところが一番の理由でしょう、しかし、実現性についてどの程度考慮されたのか疑問に感じます。
■時効が撤廃されたら、どうなるのでしょう?
○権利が発生した当時(60歳~65歳)から、現在の分まで再計算し、差額を支給
⇒場合によっては、何十年分もの期間の差額が発生するでしょう
○年金記録が追加される事による支給条件への影響
⇒年金記録が追加され、中高齢過負加算や障害年金の短期要件、から外れるような受給権への影響が出るでしょう
現在の年金のコンピューターでこのような対応が可能なのでしょうか?
とても不安を感じます。現に、厚労省も作業期間やコストは明言できなかったとの事です。
時効撤廃による、年金記録の訂正は、あまりもに大きな影響が受給者の方たちに及びます。
どのように対応するのでしょう?
そして、年金記録の訂正には国民側が証明する必要があるとの事です。
■社会保険庁による管理が原因で納付記録が失われた人に、その様な事が可能なのでしょうか?
⇒実務ベースにおいて、相当緻密な基準作りが必要と思います。
持ってきた資料により、納付記録と認められたり、認められなかったり、という事態があってはなりません。
システム作り、ルール作りはこれからになるでしょうが、かなりの労力と時間が必要と思われます。
政策で行うのでしたら、声掛け倒れになることは無いでしょうが、公正な対応が最も必要とされます。
そこの部分を考慮したしっかりとした体制作りを実現してもらいたいです。