本書は、3部構成となっています。
第1部は「基礎編」として、
営業活動の前に必要な、心がけ・モチベーションの持続・営業成績の要因、
という内容を扱う三構成となっています。
第2部は「実践編」として、事前準備・アプローチ・訪問前準備・訪問時・帰社後、
という順で構成されています。
第3部は、「番外編」として、営業職の素晴らしさを考えるアプローチ的な内容となっています。
一読して感じた事は、本当に地に足をつけて、法人営業をやってきた人が書いた本、という思いです。
本を書く事が職業の人でもなく、何かを研究する人でもなく、
実際に自分で手掛け実践し、試行錯誤を繰り返し、
自らが得た考え方やプロセス、編み出した手法そのものを記している
というところに共感を覚え、その内容に非常に深く納得を得る事ができます。
実は、私も法人営業を4年間やりました。
新卒からスタートしています。
1年目はさすがに仕事を覚え、慣れる事に精一杯でした。
2年目になると、要領を得、自分のスタイルもできはじめます。
また、法人営業の本質について考え始めるのもこの頃でした。
ただ、日常を過ごし、やってくる仕事をこなすのではなく、
この商談で負けた原因はどこだったのだろう、
この顧客から引き合いが来ないのは何故だろう、
この顧客が営業職に求めるニーズは何だろう、
など、表面には表れない部分に思いがいくようになります。
そうして、自ら考え出した理論・思考もいくつかあります。
そして、本書を拝読したところ、私の思いと共通する部分がいくつもありました。
ですが、本書ではそういった考え方について、
詳細に、また、ずっとレベルアップした内容で記されています。
法人営業をやり抜いた方だからこそ考えついたものであると、真に言う事ができます。
現実的には法人営業は、なかなか、長く続かない仕事です。
それは、社内にそういった仕事のプロがいて、
なおかつ、そのプロが新人教育の技術もプロ級であれば、
そうではないかもしれません。
ですが、そういった会社が少なく、営業マンが使い捨て扱いに陥りやすいのです。
もしあなたが法人営業をしていて、
あなたの会社がそういった現状で、
自分の仕事の将来に霞がかかったままならば、この本を手に取りましょう。
必ず、晴れ間がさしてくると思います。