後期高齢者医療の保険料を口座振替に変更する事により、
保険料を、その口座の持ち主の所得税法上の控除とする事ができ、
結果的に負担する所得税が減るというケースがあります。
そもそも、後期高齢者医療制度が導入される前までは、
特に、子に扶養されているような高齢者の場合、
その保険料を子の所得税の控除とする事が多かった為、
今年4月以降、その控除が受けられなくなり、増税となるケースが明らかになっています。
所得税法上、年金から保険料が天引きされている場合、
その年金受給者しか、所得税法上の社会保険料控除が受けられません。
後期高齢者医療制度では、年金天引きを強制的に導入した為、
有無を言わさず、子の控除から外される事となりました。
収入の多い方のほうの控除を多くする方が、税金負担が多く減るという税金のシステムがある為、
高齢者に控除が移ることで、負担が増えてしまう事になります。
この後期高齢者医療制度については、従前と比べて、増税となった為、
社会の不満が大きくなりました。
このように、比べるものが無い制度の場合、何も声高にされることなく、
すんなりとまかり通っているものが有ります。
それは、【介護保険の保険料】です。
こちらも、年金からの天引きですが、介護保険制度スタートと同時に天引きだった為、
今でも、特に話題となる事はありません。
もし、こちらも後期高齢者医療制度のように、家族からの口座振替が可能となると、
その家族の所得控除が受けられるはずです。
しかし、当分の間、話題になるような気配はありません。
世の中の考え方としては、
【今まで変わることに対して些細な事まで、大変な関心を持つ】
という傾向がよくわかります。
老人保険制度から後期高齢者医療制度に移行し、この保険料の件だけでなく、
本当に色々な点が話題になっています。