その業務を誰が担当しているのか、この点は、大変重要な要素となります。
ただ、その担当状況を書面化し、一目瞭然に管理できている企業は少数派でしょう。
多くの企業が、暗黙的にそれらの把握を互いの従業員が行なっていて、
初めて知る時には、それを知っている人を尋ね歩き、調べる事となるでしょう。
それでも、組織化がしっかりと行われ、総務部、品質管理部、と部署の名称で、
おおよそ想像のつく事も有ります。
しかし、そういった組織化がしっかりとできていない場合には、
全く把握の難しい状況となります。
そして、企業の中には、どんな業務が存在しているのか、
その洗い出しを行なっている事も少数派かと思います。
実は公務員が勤務される役所は、そんな事はありません。
きちんと誰がどんな業務を行なっているのか、それを明確にしたものがあります。
それには、誰がどんな権限を持っているのかも、明らかになっています。
その目的は、責任の在り処をはっきりさせる為でしょう。
民間企業においては、業務分掌規程は、責任の在り処を明確にさせる目的よりも、
効率的・合理的な企業運営の為に、必要になるかと思います。
例えば、出来上がった分掌状況を一覧しますと、
誰が(どこの部署が)業務をよそよりも、多く担当しているという事が、一目瞭然です。
それでしたら、そこにもっと人員を追加投入するとか、その業務をよそに回す事もできます。
また、現状の維持のままで、報酬を増やすという方法も有るでしょう。
ですから、効率的な資源配分が可能ですし、それは合理的な経営判断に繋がります。
業務分掌規程は、まず、各人が担当してる業務の洗い出しから始まります。
それが地道な作業で、遅々として進まない事があります。
しかし、色々なメリットが生まれますので、
まずは、ベースとなるシンプルなものを作成し、見直しを適宜行ない、
徐々に完成度を高めるという、作成方法で作り上げていくと、
余計な負担を感じずに、また、より完成度の高い規程に進化していく事でしょう。