これらの記録は、給付の際の基礎となりますから、大変重要なデータとなります。
そのデータの算定は、標準形式である以上、実際の月々の支払い額ではなく、
特殊な方法を用いています。
まず、毎年同じ時期の実際の支払い額により、標準報酬の決定がされる定時決定が有ります。
これは、算定基礎届けとも言われます。
1年に1度、手続きが必要で、書類提出の時期は、7月上旬ですが、
その手続きにより、届け出る期間は、4月から6月までの3ヶ月間です。
この時期に実際に支払われた報酬月額を届け出ることになります。
算定基礎を届け出ることにより、日本年金機構により、定時決定が行なわれます。
この定時決定により、9月からの1年間の標準報酬月額が記録される事となります。
次に、随時改定という制度が有ります。
随時改定は、定時決定が行なわれる時期までの途中に、報酬月額が大きく変動した際に行なわれます。
定時決定が、1年に1度、一定の時期に行なわれますので、
その時期までに報酬が大きく変わった場合に、反映される時期がかい離する事を防止する為に、
こちらの随時改定により、要件を満たした場合、標準報酬月額を随時変更します。
上記の様に、標準報酬月額は、定時決定と随時改定を組み合わせることにより、
できるだけ実際の報酬月額に沿った金額で記録される事が可能となっています。
そして、最後に、資格取得時決定が有ります。
この方式による標準報酬月額の決定は、
その事業所の社会保険に、新たに被保険者が加入した場合に、適用されます。
資格取得時決定は、社会保険への加入後の見込み報酬月額により、行なわれます。
手続きを行なう際には、加入後の報酬は支払い前ですので、見込み金額しか分かりません。
その為、残業代なども含めた見込みの報酬月額により、決定されます。
定時決定や随時改定が、実際の支払い済の金額により、手続きが行なわれるのに対して、
資格取得時決定は、まだ、支払い時期が到来していない報酬を前提に行なわれますので、
性質が大きく異なっているものと言えます。