法施行直後には、社会が成熟化しておらず、基本的手続きさえも、
確実に実行されていない事が見られ、その解消が社労士の制度化の一つであったかと思います。
現代では、社会が大変複雑化し、それに伴って、
労働社会保険諸法令も、内容が緻密になり、範囲が広がり、難解化しています。
この現象はしばらくの間、やまない事でしょう。
その為、今、社労士に求められている事は、多岐にわたる制度をしっかりと把握し、
適用できる制度を確実に探し出す、というところに主眼が求められている気がします。
また、候補となった制度について、利用したい方に、しっかりとその内容を、
正しく理解してもらう様な努力も必要でしょう。
色々な世界で説明責任足るものが求められている事も現代の特徴です。
社会保険労務士として、個人の方が、制度の中身をきちんと説明する事が重要です。
これには、その方の理解度を常に図りながら、話す事柄をぴったりと合わせ、
スムーズに認識をして頂く事が大切です。
そして、分かりやすい言葉に置き換えて、また、よく知られている状況で例えて、
とにかく、内容を頭に入れて頂くところが求められています。
ただ、言われるがままに、添付書類を揃え、記入部分を書き込み、
よく分からないまま、手続きが済んでいた。
今、これでは、誰もが納得できなくなっている事でしょう。
そもそも、当初の社労士制度創設の目的に、これらが含まれていたかもしれません。
しかし、現代では、その部分の必要性が高まっているのです。
まとめると、利用できる制度を確実に見つけ出し、利用者にその内容をきちんと理解して頂く、
これが社労士の役割の大きな部分です。
その後、手続きがある訳ですが、きっとこの部分は、過去と比べれば、
業務量の比重を下げるべきものだと思います。
現代では、個人のお客様の意向は、
自分自身が納得して、その上で、進める、というスタンスです。
では、納得を得られる為の方策とは、何でしょうか?
これは上記の通り、説明責任を果たし、円滑な説明作業を行なうところにあります。
この為には、大変な努力が必要です。
そして、経験も、ものを言うでしょう。