企業は、使用している労働者の―労働者名簿―を作成し、
保管しておくことが求められています。
とはいえ、この労働者名簿は、氏名、生年月日、住所、電話番号、
入社年月日、扶養家族、などのごく一般的な基本情報を、
記載してあるもので、特段、特別な情報を記載しておくものではありません。
しかし、それは法律により、作成しておくことが必要となっています。
その理由は、何か事が起きたときに、迅速な対応に繋げられるところに、
あるのでしょう。
例えば、業務災害が発生し、病院にかかった時に、
氏名、生年月日といった情報は直ちに必要となります。
その情報を、病院などの医療機関に伝えなくてはならない者は、
その労働者を使用している会社ですから、
その会社が迅速に対応できるように、
普段から備え付けておくことが求められている、
と考えると、必要としている理由がよく分かります。
また、行政機関などから、会社に対し、
その労働者に関する調査などの求めがあった時、
その会社は場合によっては、
対応することが求められます。
この時にも、会社において、労働者名簿があるからこそ、
確実な対応が取れる事となります。
ただ、前述のように、労働者名簿に記載している情報は、
一般的なレベルの事項ばかりです。
それは、履歴書に記載されていることが、ほとんど、と言えるでしょう。
労働者名簿の作成には、ほぼ、履歴書の内容を、
その書式に当てはめるだけの作業となります。
言うなれば、履歴書があれば、事が足りる、という時もあります。
労働者名簿は必要とされていますが、
履歴書により、用が足りることがあるのも、事実でしょう。