イオン社労士事務所のブログ

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派遣と請負

最近、労務関連の書籍で派遣と請負を取り扱うケースがとても多いです。

派遣は、昭和61年に法整備されています。それまでは、労働者供給事業とみなされ全く禁止されていました。が、社会経済情勢のニーズに応え、様々な規制をかけ、適法となっています。

ということで、派遣制度ができてから、もう20年近くたっています。それが、ここ最近にわかにクローズアップされています。製造業を中心にたくさんの監督署による是正が入ったからです。製造業としては、固定費となる正社員を抑え、派遣や請負業者を使う事で経営目的を達する為です。しかし、ここに横着な考え方が入り込んでしまって、偽装請負や労働者供給と判断されてしまう事例が増えました。

当事者は、違反と思わずに実行していたと思われます。1.法の規制を知らなかった2.法に抵触するとは思わなかった、というところが、原因だと私は考えています。

1.については仕方が無いかもしれません。私たちでも、全部頭に入っているわけありませんので。しかし、無知な範囲でも、動物的な勘により『ん!?それはどうかな』という直観力が身についてます。また、なるべく、無知な範囲が減るように日常努力しています。ですが、ここは日本ですので、その現場を管理する人たちは、少なくとも、その現場に関連する法律規制だけでかまいませんから、頭に入れなければならないでしょう。

2.については、1.の原因も重ねて原因となり、かつ、知恵の働く方に多い現象だと思います。当人たちは、良かれと思って実行していたのだと思います。少なくとも会社の為になると考えて、経済的効率の面を最優先した判断の末と感じます。また、中には法の網の目の抜けるために考え付いた策だったのかもしれません。が、どのようにしても、実態で判断されます。形式上、法的要件を満たしているだけでは、駄目なのです。

監督署は、全国を管轄地域として分けて、国内全域を所轄の労働基準監督署が見ています。意外と、隅々まで、企業の規模に関わらず、目が行き届いていますので、企業としては、知らず知らずの内に、法に違反する事のないよう注意したいものです。