しかし、何らかの事情で、健康保険を使って、病院にかかる事のできない場合があります。
海外旅行に行った際にかかった病院では、
そのほとんどが日本国内の健康保険の指定医療機関となっていませんから、
その海外の病院での精算を行い、日本国内において、加入している健康保険に、
かかった治療費相当分を受け取る為、療養費の請求を行ないます。
一方、国内では健康保険を使わずに病院にかかる事、というケースは非常にまれです。
しかし、国内の病院にかかった時でも、この療養費の手続きが必要な事があります。
それは概ね、新たな健康保険に加入したものの、
その健康保険で治療を受けなかった場合が大半を占める様です。
会社に就職し、その会社の健康保険(協会けんぽなど)に、加入したものの、
それまで使用していた国民健康保険等の旧の保険証で病院を受けてしまう事があるのです。
これは、単に気が付かずに、間違ってしまっただけの事です。
しかし、しっかりと社会保険制度について理解していなければ、どうしても起こってしまいます。
冒頭で、日本国内では、国民皆保険制度、と記しました。
これは、更に、1人については一つの健康保険だけに加入する、
という仕組みも合わせて備わっています。
ですから、先ほどの様に、会社の健康保険に加入した方は、
現実的には、健康保険制度で治療を受けた事にはならないのです。
国民健康保険自体は、外れる手続きは、自ら市役所などに出向き手続きしなければなりません。
それをしていない為に、旧の保険証も持っていて、そちらでかかってしまう事となります。
そして、その保険証は利用できない為、後日、誤って使ってしまった国民健康保険から、
治療費の返還が求められます。
その返還を終えた後、会社の方の健康保険に療養費の請求手続きを行い、
被保険者の方は、治療費相当額を現金で受ける事となります。
ところで、会社の健康保険と国民健康保険では、
会社の健康保険の方が、加入順位上、立場に当たります。
ですから、会社の健康保険への加入日以降は、国民健康保険は入る事ができません。