会社が従業員に支払う給与から、
何らかの控除を行なう時には、
あらかじめ、労働者代表と会社とで取り交わす、
労使協定が必要です。
給与から控除を行なうものとは、
従業員が正当に自ら支出する必要のあるものを、
会社の方で立て替えていたり、
会社経由でこれから支払うものについて、
支払われる給与から引き去り、
支払い手続き上の便宜性が生まれるものとなります。
よく有るものは、勤務時間中に食事した昼食代を、
会社が一括して、給食事業者に支払い、
その分を従業員から徴収する様なケースです。
これですと、一人ずつの細かな集金業務がありませんので、
そういった効率性を求めて、実施されます。
その他には、
会社が契約したアパートに従業員が暮らしている場合、
支払い者が会社となりますので、
やはり、給与支払い時に、引き去り、
家主に支払う家賃に充てるケースも有ります。
上記の様なケースでは、
従業員にメリットが有りますので、
この方式が大変便利な事が分かります。
しかし、そもそも、労働基準法により、
会社は労働者に給与の全額を支払わなければならない、
決まりがあります。
いくら、従業員に便宜の図られる賃金控除であっても、
原則のルールに反する事となります。
ですから、あらかじめ、
労働者代表と会社とで、
賃金控除の内容について、
合意し、お互いが認めた上で、
これを実施する段取りが求められています。