休業の実施についての対応
1・休業の対象者
休業の実施形態として
・事業の全部または一部を停止して行なわれる労働者全員の休業体制
・特定の労働者に対して行なわれる休業体制
などの種類が有ります。
前者の場合には、対象となる労働者が全員の為、とにかく全員一律の対応を行なう、という点に注意する点が重要です。
後者の場合には、対象となる労働者の選定について、慎重性が問われます。
後者の方の対応として、労働者を特定する客観的合理的な選定基準の設定が求められます。
・一部事業継続という点から当該事業運営管理上必要となる人員の休業対象除外
・就業人数削減という点から職能スキルの高い人員の休業対象除外
・各種法令により配置が義務付けられている人員の休業対象除外
などの選定基準は適格性が高いかと考えられます。
2・休業の期間
そもそも、休業の目的は一時的な経営難からの回避です。
休業を行なう事により、できるだけ早く、健全な経営状況に戻し、通常の経営状況に復帰する事が、その目的です。
ですから、休業の期間は、その目的が達成できる最短の期間となる事が求められます。
休業の期間設定についても、客観的合理的な理由のある事が重要です。
実際に、休業に入り、その休業期間が変化するような事があったら、その理由と共に、迅速に適切に連絡する、という対応が必要です。
また、経営者側としては、休業期間を繰り上げての事業再開ができるように、最大の努力を行う事が求められます。
3・労使協議
休業の実施は、労使の合意がある事が望ましいでしょう。
ただし、この内容は法令に何らの規定があるものでは有りません。
休業の実施について法令では休業手当について触れるのみです。
ですから、休業の実施そのものについては、民主的に決定する事になります。
具体的には、労使協議を開き、上記1・2の点について検討を重ね、合意に至ることが重要です。
4・安全衛生面での検討
特に、一部休業する場合、少人数での事業運営ということになる点から、
現に就労している労働者に、過度に業務が集中する事を注意しなければなりません。
また、労働安全衛生法令についても、通常の事業体制と変わる事から、新たな対応が求められる事も有りますので、注意が必要です。