イオン社労士事務所のブログ

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休業の回避について

休業の実施に当たり、労使協議による民主的な話し合いがある事が大切ですが、
労働者側は不利益を被る事から、休業の実施について、異を唱える事は当然考えられます。

また、労働契約を締結した使用者側としては、
賃金を支払い、労働者に就労の機会を提供するという、信義則上の縛りも有ります。

ですから、安易な休業は、回避すべきと言う結論に至ります。
そこで、当然のことながら、使用者は休業を最後の選択肢とした事前対策が必要です。

そして、休業とは、整理解雇を行なう前の、整理解雇の回避努力のための一手段という判例がある事からも、
休業を回避する手段としても、整理解雇の際の判例が参考になります。

役員報酬の不支給、減給
・賞与、手当のカット
・有期雇用契約者の雇用期間満了による雇止め
・残業、休日出勤労働の削減
・配置転換、出向、転籍などの人事異動
・希望退職の募集
上記対応などが整理解雇をする前に実施する一般的な措置として挙げられます。

しかし、どのような措置が講じられる事が適切であるかの一律の基準は有りません。
判例からは、企業規模、経営状態、従業員構成等に照らし、個別具体的に検討されるべきもの
と、整理解雇の訴訟で解説されたものが有ります。

休業に関しての判例は、過去の蓄積がほとんど有りません。
そこで、この整理解雇の判例の解説などを、休業の回避努力のための適切手段の選定の参考にするという対応となります。
ただ、整理解雇についても、ケースバイケースなところがある様に、休業についてもケースバイケースです。

そこで、やはり労使協議の重要性が浮かび上がります。
休業の回避努力の手段についても、労使協議に挙げる事が早道です。
当事者通しで納得して行なった休業回避努力ならば、適格性が問われる事態には至りにくいでしょう。

また、その後の本体部分の休業を行なうに際しても、労働者側の合意が得られやすくなります。