イオン社労士事務所のブログ

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高年齢従業員様の雇用管理支援 法令編2

継続雇用制度を導入する企業において、対象者に制限を行なう場合は、
労使協定により、「基準」を定める事が必要とされています。

この基準については、次の2点について、注意が必要です。
1・平成23年4月1日以降は必ず労使協定が必要
2・基準は客観性と具体性がある事

1の労使協定が必要な点については、
特例措置が有効な期間を過ぎた事による対応となります。
この特例措置とは、平成23年3月31日までは、労使の協議がまとまらない場合、
常時雇用労働者数300人以下の事業主に限り、就業規則に基準を定める事で導入できました。

これは、簡単に言うと、事業主の任意の内容で基準の設定ができる事を意味します。
就業規則の改定による届け出の際には、労働者からの意見聴取の必要がありますが、
この意見には従う必要が無い為、実質的に、事業主の独断で定めた内容が採用できたのでした。

しかし、現在では、この特例の有効期間が終わりましたので、
必ず労使協定での基準の締結が必要です。

2の基準は客観性と具体性がある事、という点は、
そもそも、この基準は、高年齢労働者の生活に直結する非常に重要な内容ですから、
公正な運用が求められる事から端を発します。

いくら、当事者で労使が合意したものであったとしても、
事業主が恣意的に特定の労働者の継続雇用を排除できるような基準である場合、
適切でないと考えられています。

適切ではない、という表現の通り、
基準そのものは労使協議により、自由に決められる事が原則ですから、
何がだめで、何が良い、という明確な線引きは行政は行なっていません。
適切ではない、として、高年齢者雇用安定法の趣旨に反するおそれがある、とされる事となります。
ただし、その他の法令に反する場合は明確に認められません。

さて、この基準については、客観性と具体性が求められる事は前述の通りですが、
労働者自らが基準に該当するか見る事ができ、該当の有無が明確な場合、
また、その到達の為に必要な取り組みが分かりやすい事、というような意味を表します。

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