イオン社労士事務所のブログ

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書店勤務時代に遭遇した出来事から2

昨日に引き続き、今回は、
書店に対して、非常に高い接客レベルを要求される方、をテーマに記します。

書店では、店頭に在庫が無い場合、取り寄せの注文を受け付けています。
お客様からご要望があると、出版社に注文を行い、入荷するよう手配します。
その際、出版社に在庫が無ければどうする事もできません。
そこの所を理解していただけないお客様がありました。

とあるお客様の取り寄せ希望商品が、
出版社に在庫が無く、品切れの状態になっていました。
そして当時、その場合、取り寄せをお客様に対してお断りする、という店頭ルールがありました。

そこで、お客様に品切れの件と、取り寄せお断りの旨を、電話でお伝えしたところ、
今、無くても、その内、入ってくるかもしれない、
お店への注文をそのまま継続にし、在庫があるまで、出版社に連絡を取り続けて欲しい、
というお返事でした。

当時のお取り寄せルールの設定理由は、
店頭での管理上、品切れ品の注文継続を保持し続けることが不可能だった為です。
と言うのも、取り寄せ品を注文するのは、機械ではなく、人手で行なっているのです。
ノートには、受け付けされた取り寄せ希望品が、記入されていて、
店員が、その記録を元に、1件1件出版社に電話して、注文しているのです。

そして、お店に対する取り寄せのご注文は、1日10件前後あります。
すると、電話した時点で品切れとなっている場合は、その時点で、お客様へお断りとしないと、
雪だるま式に取り寄せ品が増えていき、管理不可能な状態に陥るのです。

そこのところは、店頭の都合ですので、はっきりとそういった理由でお断りする、
と伝えることはできません。
また、書店という事業は、人手を極端に減らす事で、ようやく運営が成り立ちます。

ですが、イメージなのか、書店に対し高い接客レベルを標榜され、
まるで都心にある百貨店レベルの接客を望んでおられるかのようでした。

こんな時、百貨店ならば、
「分かりました。お客様がそこまでお取り寄せをご希望でしたら、当店が何とか致します。
少々お時間を頂くかもしれませんが、責任を持って対応いたしますので、
今しばらくお待ち下さい」と、返事するかもしれません。

しかし、
現実的に、ほとんどの書店では、一般レベルの接客しか不可能な状態です。
ぎりぎりの少人数ですから、店頭を運営するだけで、精一杯なのです。

多くのお客様は、その点について、大きな思い違いをされていないでしょうか。