ところが、新聞報道によれば、
大企業においては、その導入を予定する企業の割合は低い、とされています。
一般的には、労働者側にとって、時間単位で年休が取得可能になれば、
これまでより年休を取得しやすくなり、有効利用に繋がると考えられるところです。
社会的にもワークライフバランスという考え方に沿っており、制度の導入の意義が見出せます。
首を傾げるところです。
この背景には、ここのところの不景気が影響してきている、私は考えています。
大企業に限らず、国内の多くの企業は、これまでに大幅な人員体制の縮小を実施してきました。
最悪期を脱したかと思われる現在においても、なかなか人員の増加が実施されません。
つまり、現場の労働者数は、ぎりぎりの人数なのです。
この様な状況で、1時間、2時間、と細かく職場を抜ける体制では、
正常な事業の運営に支障をきたす事が予想されます。
そこで、時間単位の年休制度は、労使協定の締結が導入の要件になっているので、
企業としては、その締結を飲まず、導入を見送るという選択肢を判断しているものと考えられます。